モーラとシラブルの話
モーラとシラブルって何かってことを知っていると、英語の学習が楽しくなります。
簡単に説明したいのですが、”じゃんけんグリコ”って遊び、やったことありますか?
階段で遊ぶ、じゃんけん遊びです。
グーで勝つと「グ・リ・コ」と3段上がることができます。
チョキで勝つと「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」と6段上がることができます。
パーで勝つと「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」と6段上がることができます。
この、遊んでいる子どもたちが3段とか6段とか数える単位がモーラです。
さて、これを英語のシラブルで数えるとこういうルールになります。
gliko は gli-ko と2段上がることができます。(江崎グリコの表記はgliko)
chocolate は choc-o-ate と3段上がることができます。
pineapple は pine-apple と2段上がることができます。
このように、日本語はひとつの音を独立して数え、それをモーラと呼びます。
一方で、英語は音をかたまりで捉え、そのかたまりのことをシラブル(音節)と呼びます。
(うーん、シラブルだとなかなか階段を進めないね…(^▽^;) )
シラブルがわかると楽しい
英語のシラブルの数え方は[音節]として辞書に載っています。
私は小学生や中学生に英語を教えていますが、発音の練習をする時に一緒に手をたたいて数えています。
「い・ち・ご」手をたたく回数は3回。タンタンタンのイメージ。
「ス・ト・ロ・ベ・リー」手をたたく回数は5回。タタタタターのイメージ。
「straw・ber・ry」手をたたく回数は3回。タンッタタのイメージ。
日本語で「ス・ト・ロ」は3文字で3音なのに、英語で「straw」は5文字で1音なんです。
これに気付いて「面白ーい!」ってなったら、英語の聞き取り力が上がり、発音も上手になりますよ。
余談ですが…
シラブルの話を初めて聞いた時、私は「面白ーい!」と思いました。
で、思い出したのが、昔に読んだ歌手のインタビュー。
その方は特徴的な歌い方をされる方で、「外国人の歌みたいに、一つの音符にいくつかの音を乗せたい」と言うようなことを言っていました。
日本語と英語の性質を知ると無理な話だってわかるんですが、洋楽や歌い方にあこがれて、そうやって歌を作っていたんだと知って納得したのを覚えています。
音の数と音符の数
一つの音符にいくつかの音を乗せられないのが日本語です。
「きらきらぼし」は、「ドドソソララソ・うん」と覚えるように、7つの音符+1つの休符の繰り返しです。
7文字歌って1拍おやすみすることになります。ところが英語はもっとたくさん文字がある!
比べてみると…
日本語だと、♪ きらきら ひかる(7音) おそらの ほしよ(7音)
英語だと、 ♪ twin-kle twin-kle lit-tle star(7音節) how I won-der what you are(7音節)
日本語と英語で数え方が違うの、わかりますよね(^^)
楽譜を見てみよう
「きらきら星」と「Twinkle Twinkle Little Star」の楽譜をネットで検索して見てみてください。
日本語は1音にきちんと一文字が対応していて、とても見やすいですね。
こう見ると、俳句や短歌などは、まさに日本語の音の性質を用いたリズムの美しさがあることに気付きます。
ただし、日本語でも、特殊拍と呼ばれる3つの音は、前の拍と一緒になって2拍で1音節となります。
・撥音「ン」…「撥ねる音(はねるおん)」とも言います。
・促音「っ」…「ちっちゃい つ」とも言います。
・長音「ー」…「伸ばす音(のばすおん)」「引く音(ひくおん)」とも言います。
この特性から、2文字だけど1つの音符に乗っていることがあるんです。
♪だるまさん だるまさん にらめっこしましょ わらうとまけよ あっ・ぷっ・ぷ
♪かあ・さん おかたを たたきましょう タン・トン タン・トン タン・トン・トン
太文字のところは、音符が一つだとお分かりいただけるでしょうか。
これも日本語のリズムの特徴だと言えるかなと思います。
歌で育てるリズム感
日本語と英語はリズムが違うと聞いたことがあるかも知れません。
この話は、音の数え方の違いが分かるとよく理解できますよね。
私は子どものころに英語の歌をよく聞いていました。
父が持っていたビートルズやオールディーズの曲には、面白いリズムがたくさんあったんです。
そのおかげか、音楽のリズムだけでなく、英語のリズムもよく理解できるようになりました。
リズム感は頭で考えるものではなく、体感覚なので、大人になってから身に着けるのは非常に難しいです。
小さいうちに、たくさんのリズムを聴かせてあげるのが良いですね。
耳で聴いたり(聴覚)、体で表現したり(体感覚)、感覚を使ってたっぷりと経験してほしいと思います♪
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