マタニティケアラー

妊婦さん

出産記念日

私は2回出産記念日があり、2人子どもがいます。
こんな言い方は変でしょうか(笑)。
私は、子どもの誕生日を「私の出産記念日」と呼んでいます。
「え?」と聞き返されることも多いのですが、自分が出産した日は大切にしたいのです。

昨年、私は「マタニティケアラー」の検定試験を受けて、認定をいただきました。
3人の医学博士の講義を聞き、妊娠・出産について、妊婦さんの心と身体についての知識を深め、妊婦さんをサポートをする心構えができました。
https://maternitycarer.com/

自分の出産のときに知っておきたかった!!と言う内容ばかりだったため、自分の出産を振り返る機会にもなりました。そのことを書いておこうと思います。

赤ちゃんだけが主役?

1人目は大きな病院の産婦人科で出産しました。
自然妊娠で母子ともに健康、なんのトラブルもない妊娠期を過ごし、分娩も時間がかからずに健康な赤ちゃんが産まれました。
ところが、出産した後に「なんか違った…」と言う違和感と、ちょっとした後悔がありました。「産んだ」よりも「産まされた」ようなモヤモヤがあったのです。
私は「自分も主役になりたかった」と思いました。

そう感じたのは、私が私自身のことをあまり考えてこなかったからだと思います。
病院では、妊娠中は数値に沿った指導、分娩時に時間のかからないような指導があり、赤ちゃんがスムーズに産まれてくることが目的でした。
初めての妊娠で、言われた通りに頑張った私。分娩は先生のペースで進められました。

私も主役に

2人目を妊娠した時、「なんて言うかもうちょっと、私と赤ちゃんとが二人三脚で~…と言うお産が理想だなぁ」と考え、産院を選びました。
良い助産院にご縁があり、お世話になることになりましたが、助産院は医師がおらず、医療行為ができません。よって、妊娠中のお母さんも赤ちゃんも健康で過ごせることが条件になります。
助産師さんは私の身体を丁寧に診てくれて、私のむくみ、便秘、貧血にはケアが必要だと教えてくれました。

そう言えば、1人目の妊娠中に貧血の鉄剤が処方されていましたが、私のむくみや便秘も妊娠中のマイナートラブルにカウントされると初めて知ったのです。
私は自分の身体は強靭だと思っていたけど、私にだってケアすべきマイナートラブルがあるんだなと気づいて、見過ごしたり我慢したりせずに労わるようになりました。

助産師さんのアプローチ

助産師さんたちは医療行為ができないので、アロマオイルを使います。アロマオイルを垂らしたお湯の中で私の足をマッサージをしてくれながら、「気をつけているとは思うけど、もうちょっとだけ塩分に注意してご飯食べるようにしてみてね」と言ってくれる。それは、産婦人科で「塩分控えて体重も増やさないでね。分娩の時に大変なのは赤ちゃんだから。」と事務的に言われるのとは全く逆の経験でした。

別の妊婦さんは、逆子を鍼とお灸でケアしてもらっていました。私は間近で見学させてもらったのですが、その手技の正確さに見とれ、手で触れながら処置する様子に温かさを感じ、数日後に逆子が治ったとの報告を聞いて感動しました。助産院では逆子は分娩できないので、鍼灸、整体、骨盤体操などで母体を整えます。お母さんの身体を緩めるアプローチは、お母さんの心もリラックスさせていました。

助産師さん達のアプローチは、赤ちゃんもお母さんも健康で健やかに過ごすことができる環境づくりに繋がっていました。赤ちゃんの母体となるお母さんの心と身体を大切にしてくれる環境で、私はとてもポジティブな気持ちになれました。自分は赤ちゃんを胎内で製造して出荷するわけじゃなくて、育てて生むんだと思いました。大げさに聞こえるかも知れないですが、本当にそう思えたんです。

主役になれた

結果として、助産院での出産は、1人目の出産体験で感じた「もっと自分も主役になりたかった」と言う思いを叶えてくれるものとなりました。赤ちゃんのことだけでなく、私自身のことも大切にして労り、また周りもそうしてくれる環境での、マイペースでリラックスした状態でのお産でした。
更には、自分で自分を労わりながら出産を終えた経験が、退院後に始まる子育てへの気力を与えてくれたのです。「私たち頑張ったね!」と言うハッピーな気持ちで赤ちゃんとの生活を始められたことは、今も振り返ると温かい気持ちになります。

出産はチームワーク

出産は、赤ちゃんとお母さんの2人のチームワークで乗り越えるものです。
赤ちゃんだけが健康なら良いのではなく、お母さんも自分を労わりながら2人で出産に向かう。
自然分娩でも帝王切開でも、赤ちゃんが出てくるまでの過程で、自分の心と身体にポジティブに関われているかどうかを認識しながら過ごせることが大事なことなんです。

それがわかって、子どもの誕生日は私の出産記念日でもあると言うようになりました。
子どもと私の2人の記念日でもあるし、周りの人達に支えられた記念日でもありますね。

多くの人に知っておいてほしい

最近では、制度が整ったり情報が多くなりました。妊娠したり、妊娠期を過ごしたり、出産するステージごとに、より良い選択ができる時代です。
その選択の手前で、妊婦さんの心と身体について知っておくと、その後の視野がぐっと広がるのではないでしょうか。

私の学んだマタニティケアは、妊婦さんだけでなく、パートナーの方も多く学んでいます。パートナーや周りの方たちの理解や受容もとても必要になるので、多くの方が理解しようとしてくれることは大変意義のあることだと支持したいです。

妊娠を期待している方、妊娠されている方、そのパートナーや周りの方々は、基礎的な知識から始めて妊婦さんについて学んでほしいなと思います。そして妊婦さんは、ご自身の心と身体を労わり、周りに受け入れてもらいながら、出産の日を迎えてください。

そして、良い出産記念日になりますように(^^)

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