お子さんが育っていく上で最も良いお手本となれるのはパパさんママさんです。
Music Together では parents(両親)以外にも、caregiver/who takes care of children (子どものお世話をする人)も一緒に参加できるので、おじいちゃんおばあちゃんやベビーシッターさんも、もちろんお子さんのお手本になる方々です。
子どもはお手本を必要とします
生活していく上で、お手本があることで助けられることって多いのではないかと思います。
何かひとつのことをやってみる前に、詳しそうな人に聞いてみることや、ネットで検索したり動画を見てみたりすることがありますよね。動画だったら、途中で止めたり再生速度を落としたり、見たいところにもう一度戻って再生することもあるでしょう。
そうやってお手本を見てマネをすることで、私たちも知識や技術を身に着けたり、経験値をあげたりしてしていくのですね。
アーティストやクリエイター、作家さんやデザイナーさん、料理家さんや俳優さん~…と上げたらキリがないですが、そんな方たちも影響を受けた先駆者がいて、最初はマネすることから始めたんだと思います。あんなふうになりたいな、とか、こんなことができたらいいな、なんて感じることが原動力になっているのかもしれません。
それと同じ理由で、子どもは周りの大人を見ています。
ですが誰でも良いわけではなくて、パパやママやお世話をしてくれる人たちを見ています。長い時間一緒にいて、愛情をくれて、親しみを持てる対象だからです。
「ママが気持ちよさそうに歌っているから自分も歌ってみたいな」「パパが楽しそうにタンバリンを鳴らしているから自分もやってみたいな」と言った感じで、大人たちが音楽で遊ぶのを面白がっているのを見て、自分もやってみたいって思うんです。
また、「自分もそんなふうにやって良いんだ!」と感じ、当然のように音楽を楽しむ子になります。
なので、Music Together のクラスでは、講師はみんなのことを引っ張っていくけれど、子どもたちが「音楽って楽しい!気持ちいい!大好き!」ってなるのはパパさんやママさんを見るからでなんですよ。講師はやっぱりパパさんママさんには勝てないのです(笑)。
インプリンティングとお手本
Music Together は生後間もない赤ちゃんから参加していますが、赤ちゃんは大人のマネをするでしょうか。
新生児模倣と言われる、大人が舌を出してみせると赤ちゃんも舌を出すと言ったマネが見られることもあります。ただ、自分のコントロールで思い通りに体を動かしたり声を出したりできるまでは、赤ちゃんは脳や心の動きを発達させています。
インプリンティングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
日本語では、「刷り込み」と言われています。 鳥のひなが孵化してから、最初に見たものを親だと思い込む現象のことです。
鳥は生まれてから短い時間で生きていく術を獲得しなければならないので、親だと思い込んだ対象にすぐにくっついていくのだそうです。
一方で、人間は「生理的早産」と言われ、未熟な状態で早く生まれてきてしまうため、自分で動けるようになったり食べられるようになったりするまでの間はお世話されることが欠かせません。その期間が、親(お世話する人)と子(お世話される人)の間に「愛着形成」がされる大事な期間になります。
愛着関係が作られる過程で、子どもたちはパパやママに絶対的な信頼を感じるようになって、生きていく上でのお手本としてくっついていくようになります。これが人間にとっての刷り込みです。
赤ちゃんは脳や心を働かせながら、一生懸命お世話してくれて愛情を与えてくれる相手に対して「この人についていけば大丈夫だ」と認識するようになるのですね。
良いお手本となるには
こうして子どもにとってのお手本になる大人たちは、どんなふうに行動し、どんなふうに振る舞うのが良いでしょうか。
「言葉よりも行動で示せ」と言われますが、特にまだ言語能力の高くない小さい子どもたちにとって、言葉よりも行動が伝わる有効な手段となります。
Music Together のクラスでは、大人が楽しんで参加すること、子どもにやらせるのではなく大人が率先して動くことを大切にしています。
歌うことが得意でないから歌わないお手本より、歌うことが得意でないけど歌ってみるお手本の方が、子どもたちにとってはるかに魅力的に映るのではないでしょうか。
行動を通してお手本を見せること、レッスンで学んでいきましょうね(^^)
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